2020年10月20日
カンボジア日本人会 2020年度の活動について
コロナ禍、「互いに支え合う」活動の本質を再確認
盆踊り大会は開催見送りへ
コロナに明け、コロナに暮れそうな2020年、カンボジア日本人会の恒例となったイベントは中止や延期を強いられております。その一方、イベント以外の部分で、今年度はこれまで以上に日本人会としての役割が大きくなっています。
会員としてご協力いただいている皆様に今年度の活動について改めてお伝えするとともに、非会員の方にもぜひ日本人会の地域社会への貢献にご理解をいただきたく、以下のご報告をいたします。
- プノンペン日本人学校・プノンペン補習授業校
カンボジア日本人会下部組織であるプノンペン日本人学校・プノンペン補習授業校は3月より休校になっていました。日本人会は、新型コロナウイルスの感染拡大がカンボジア国内で抑制されている状況を踏まえ、学校の早期再開について、在カンボジア日本国大使館とともにカンボジア政府・教育青年スポーツ省に働きかけてまいりました。
その結果、日本人学校・補習授業校は、他校に先駆けて国内で最も早く、8月に再開が許可されました。再開にあたっては、保健省の指導に基づく厳格な感染予防策を実施しました。また、一連の手続きや交渉における、学校関係者の誠実で熱心な取り組みが、カンボジア政府や教育省との信頼関係を深め、スムーズな再開となりました。改めて関係者の皆様に御礼もうしあげます。
日本人学校は8月、補習授業校は9月より再開し、子供たちの元気な声が校舎に戻ってきました。まだカンボジアに戻れずにいるお子さんもいらっしゃいますし、授業時間が少ない中、先生方や保護者の皆様のご苦労も多いかと思います。健康と安全にこれまで以上の配慮をしながら、子供たちが可能な限り活発に学習し、活動できる環境を、日本人会として整えていきたいと思います。引き続き、ご協力をお願いいたします。
- 出入国の防疫情報、ANA臨時便
カンボジア政府による入国規制が始まったことにより、ANAの成田・プノンペン直行便は4月以降、運休が続いています。しかし、ビジネス関係の往来については規制が緩和されたこと、さらに他国経由の航空便では感染の可能性が高まること、などから、カンボジア日本人会は、カンボジア日本人商工会とともに、ANAに対し、直行便の臨時便就航および、路線維持についてお願いをしてまいりました。
まず、6月半ばから7月5日にかけて、成田・プノンペン直行便の早期再開と路線維持を求める署名を集めました。短期間にもかかわらず、国内外から3,717筆が集まり、皆様の熱い思いとともにANAにお届けしました。また、直行便再開への願いを込めた動画も作成いたしました。
さらに9月には、長くANAに働きかけてきた臨時便の就航が実現しました。臨時便は9月26日の1往復のみでしたが、カンボジア日本人会は、カンボジア日本人商工会とともにそのための案内・受付窓口となるなどの役割を果たしました。
成田発の臨時便においては、両会での受付にあたり、カンボジア国籍の搭乗希望者にも事前PCR検査を条件とすることで、所謂巻き添え14日間隔離を防ぐといった、会員の皆様の安全を守る対応も行いました。
また、3月以来続くカンボジア政府の防疫策について、最新の情報を皆様に提供すべく、情報を収集・確認し、開示しております。カンボジア側の方針は、解釈がさまざまだったり、関係者に周知されていなかったりして、混乱しました。そのたびに日本人会は独自に調べたり、大使館に確認を依頼したりするなどして最新情報をまとめて共有しました。さらに、実際に出入国した方々が、自主的にお寄せくださった貴重な情報や体験談もたくさんございました。ありがとうございました。
新型コロナウイルス感染症という未知の状況に直面し、さまざまな情報が飛び交うなか、日本人会が最適な情報をとりまとめることができましたのは、在留邦人の皆様の心あるご協力のたまものと考えています。互いに支え合うという、日本人会本来の役割を再確認いたしました。
- 日本人会主催のイベントについて
前述のように、今年度は、新型コロナウイルスがもたらす課題への取り組みで通常とは違う活動が増えてしまいました。一方で、盆踊り大会をはじめ、日本人会がほぼ毎月実施していた交流イベントができない状態が続いています。
まず、毎年10月ごろに開催しておりました「盆踊り大会」は、今年度の開催は厳しくなりました。不特定多数の人々が出入りし、密集した中で何時間も過ごすお祭りですので、現状では感染予防に100%の責任が持てないという結論です。また、盆踊り大会は、企業の皆様の寄付により運営しております。コロナ禍で厳しい経営状態となっている皆様に寄付をお願いすることは心苦しいという声も出ました。
そこで今年度は開催を見送り、来年度に今年度の分まで盛大に開催できるよう、力を溜めておきたいと考えております。コロナの状況にもよりますが、来年の祭りは「復活の象徴」として、今まで以上に楽しく、大きく、そして温かいお祭りとして開催できれば、と思います。
日本人会ではこのほかにもさまざまなイベントを主催していますが、いずれも感染予防の観点から、これまで通りの形での開催は難しいものばかりです。
ただ、屋外でのもちつき大会など、工夫次第で開催も可能ではないか、というイベントもありますので、役員や関係者で検討をいたします。開催となった場合には、皆様にお知らせをしてご参加を募りたいと考えています。
以上、カンボジア日本人会のこれまでの活動とこれからについてご報告しました。今年の日本人会は、これまでのように楽しいイベント運営はできておりませんが、役員一同、「互いに助け合う」という大切な役割を担っていることを再認識しています。会員の方は活動に理解と関心を持つことで、非会員の方はまず会員になっていただくことで、どうぞ日本人会の活動を支えてください。よろしくお願いいたします。
入会のお申込みについてはこちらをご覧ください。http://www.jacam.cc/recruit」
カンボジア日本人会役員一同