主婦のおしゃべり広場 第13回「プノンペン暮らし」

後藤 麻子

夫の仕事の関係でシェムリアップに2年3ヶ月住んだ後、運よく次の任地が、今度は、プノンペンに決まり、去年の11月からプノンペン生活が始まりました。

シェムリアップに住んでみて そしてプノンペンに住んでみて 私が感じた思いをづらづらと書きたいと思います。

1)プノンペンはさすが首都だけあって物の種類と量が多い。

シェムリアップにいたときは、これを売っているのは、ここのお店のこれだけ。というように 物がある程度限定されていました。しかし、ないものはないものとして、生活には、それほど支障がありませんでした。が、プノンペンは、物が多くそして種類も多い。ということで選択肢も多い。主婦にはうれしい限りです。衣食住 すべてにおいてシェムリアップにいるときよりも買い物をする時間が増えました。そして財布の紐も もちろんゆるくなってしまいました。

2)家にいる虫が少ない。

今 住んでいる所が、アパートのせいかもしれませんが、いろいろな虫が、シェムリアップよりも少ないのです。まず蚊が少ない。あとは、あらゆる食べ物に列を作って食べ物の中に入りこむアリ攻撃が、少ない。シェムリアップでは、特に日本食の保存には、2重、3重の袋で防御をして、大切で値段の高い日本食を守ってきました。しかしここは(ここのアパートは)そんなことする必要なし。とてもストレスの少ない世界です。スープに蟻が浮かんでいる。ということもなくなりました。そしてなによりも私の大嫌いな カブトムシのように大きくて、信じられないことに飛んでしまうゴキブリと一度もこの部屋で遭遇していません。どうかこのまま逢いませんように!

3)寝巻きを着ているカンボジア人が少ない

シェムリアップでは、チョイ小金持ち風の人が、パリッとアイロンのかかった、もしくは新品の寝巻きで、スーパーでの買い物やハンバーガーショップでハンバーガーを食べていた。なんて姿を目撃したり、お手伝いも寝巻きで来る日が多々あったりで、私の感覚も寝巻きは、万能ツーピースと言う認識になってきていました。しかし まぁ プノンペンは、おしゃれな人たちが男も女も多いこと。シェムリアップほどツーピースの感覚で寝巻きを着ている人に遭遇することが少ない。そうよね、やっぱり寝巻きは寝巻きですよね?

4)英語を話すカンボジア人が多い

シェムリアップは世界遺産のある観光地。と言う事でホテルやレストランと英語が話せるカンボジア人が多いのですが、普段生活する中では、まだまだ英語の会話では、限界がありました。が、プノンペンでは、レストランなどはもちろんですが、ここのアパートの他の家々のお手伝いは、ほとんど英語が話せるし(シェムリアップでは、結局、英語を話せるお手伝いを見つける事ができなかった)ローカルマーケットの生鮮食売り場でも すらすらと英語で値段を言ってくる人がいたり、そして その人がまた とても流暢な英語をしゃべっていたりして。クメール語も勉強しなきければと思いながらそれよりも英語も勉強しなきゃとローカルマーケットの買い物の帰りに思ってしまいました。 

5)牛がいない

シェムリアップの住んでいた家の前には、広い野原があり(近所のゴミ捨て場となっていましたが)そこに朝、夕方と牛が、草を食べにきていました。子供と「あー今日は何頭いるかなー?」とか「ほら!子供の牛がいる」と子供とよく牛観察をしていました。道を牛が横切ったり牛が近くまで近づいてきたりなどもよくありました。そんな訳でなんとなく牛好きな息子が、プノンペンに来た時に「ここには牛はどこにいるの?」と質問されました。さて、プノンペンは、牛さんはどこにいるのでしょう?


シェムリアップに住んだ時は、この国は、今までに赴任した国の中で、なんて暮らしやすく住みやすい国なんだろうと思いました。そして プノンペンに住んでみたら それにプラス「便利」と言う単語が増えました。が、シェムリアップで、季節毎に 前の野原から蛙がうるさいくらい鳴いたり、虫の音が聞こえてきたり、蝉の声が聞こえたり、牛や近所の子供たちが凧揚げをしているのをぼーっと見ていたりなどの時間のゆっくり流れているような生活もいいよなーと思いながら でも 便利になった生活も捨てがたいなーと考えてしまいます。結局は「住んでしまえば、そこは都」ということなのでしょうか?


さてさて まだ続くプノンペン生活 これからまたどんな発見があるのでしょうか?