-- Road to Laos --

U-16カンボジア代表監督 吉岡大介

「One For All」「All For One」、「一人はチームのために」そして「チームは一人のために」 この言葉をチームスローガンにかかげ、U-16カンボジア代表チームは未来へ向かってまぶしいくらいに、 今この一瞬一瞬にベストを尽くし、夢へと強く輝き走りだしていています。

チームが本格的に始動し1カ月半。2月12日、U-16アジアチャンピオンの北朝鮮代表とプノンペンで フレンドリーマッチを行いました。

U-16日本代表チームも今年2-1で北朝鮮代表にはヨルダンで敗れており、北朝鮮代表は来年のFIFAU-17world Cup 本大会へもアジアのチャンピオンとして出場します。昨年の予選でも前任者の率いたカンボジア代表は、バンコク で行われたFIFAU-15ワールドカップ予選で、北朝鮮を相手に11-0の大敗。強豪北朝鮮に何もできず、そのまま ゲームは終了しました。体の差や環境などいろいろな問題はあったにしろ、何もできないのであれば正直プロとしてピッチの上に いる意味がない。

言い訳は誰にでもできるし、負けをそのままにすることも、しておくこともできる。その過去のレポートに目を通した瞬間に、 自分の心の中に火がついた。

私が初めて選手達と出会った時、選手達の顔からは、代表へ選出された喜びよりも 自信をすでになくし、あきらめ、彼らはあきらかに他国と戦うことを恐れていました。

そこで「変わらなければ何も始まらない」、「始めなければ何も変わらない」という2つの言葉を使いました。 みんなが変わりたいのなら、必ず変えてみせる。自分を120パーセント信じてついてきてくれと伝えました。

そして、子供達は、カンボジアの未来を自分の大好きなサッカーでがんばって変えたいと、7月に行われるAFF国際大会 でも必ず勝ちたい、リベンジを果たしたい。歴史は自分達の努力から変えると僕に約束しました。

代表とは何か?プライドとはなにか?誇りとは何か?

常に彼らはカンボジアという国を意識し、出たくても出られない選手の気持ち。 国というものを背負い戦う意味をかみしめ、 今というこの2度と戻ることのない日々を頑張っています。

常に話す時に大切にしていることがあります。

それは、説得、納得の関係を作り出すことです。

人は、ただ「走れ」、「頑張れ」といわれても走れないし100パーセントで頑張れません。 なぜなら、納得していないからです。

人は、納得できた時に、自分の中から全ての迷いが消え、フロー現象を起こします。 フローは、心と体のモチベーション、集中力を自分自身の最大値へと上げ、選手達、人間の持つ ベストのパフォーマンスを呼び起こします。

「私の戦術は心の戦術です。」

人は、誰でも必ず変われます。

いつ、どこで、だれとどこで、どのように頑張るかを考え、自分で夢を見つけ持つ事ができれば。

アジアチャンピオンである強豪北朝鮮を相手に90分間の激闘の末、変わることを選んだ彼らは、 カンボジア代表選手であることの誇りとプライドを胸に、足がつっても最後まで走り抜き、声も出なくなるまで仲間を助けるためにしゃべり抜き、 ホイッスルが鳴り響くまで全選手が諦めずに見事2-1の逆転で歴史的勝利をおさめました。

チームが変わり自信を取り戻し、選手、スタッフ、サポーターが一つになった瞬間でした。

今後、4月の代表合宿後、サバイバルを経てメンバーは30~25名へと絞られ国外での経験を積むために、 10日間のヴェトナム遠征へと向かいます。

7月のラオスでカンボジアの歴史は、必ず変わります。

ヤングカンボジアU-16代表チームを今後とも、どうぞよろしくお願いします。

ご支援、ご協力してくださるかたがいらっしゃいましたらとても嬉しく思います。

All The Best



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