運動会

坂本 貴則

 2月5日(日)、司会によれば、雲一つない空の下で、2011年度日本人会運動会が行われました。例年は大使の挨拶が私たちに開会するんだという一種の緊張感をもたらしてくれていましたが、今年はひと味違いました。 「国歌独唱」。今年は、それが開会の緊張感をもたらしてくれました。みんなで歌う斉唱ではなく、一人で歌う独唱。歌ったのはタキシードを着たおじさん。

 歌う・踊る・笑うのエンターテイメントの世界で登場しない場所はないと言われる、このタキシードのおじさんが想像以上の独唱をしてくれました。マイクの力もあって、歌声は広いグラウンドに響き、その厳めしさたるや、本当にすばらしかったです。これまで学校や行事などで国歌を歌う・聞く機会は多くありましたが、「独唱」する人を生で見たのは、初めてでした。グラウンドで聞くのも良かったですが、もっとフォーマルな場所でおじさんの国歌を聴いたらもっと感動するんでしょうね。いつかそんな日が来るのを楽しみにしています!ちなみに今回使用したタキシードは300ドルもかけてわざわざ新調したそうです。本当はモーニングが作りたかったのに、仕立屋が理解してくれなかったと嘆いていました。
 さて、さっそく話がそれましたが、運動会です。開会式の後、唐木田さんの軽やかな指導による準備運動を終え、いよいよ競技に入りました。

岡田日本人会長..笑顔が素敵です
タキシード、あつかったよ..国家独唱
スポーツの汗って気持ちいいですね!
大会実行委員長の指示に従って下さい
子供達.. 君達に輝かしい未来は待っています
いや~、昨年同様 準備体操ハードでした

最初の競技は徒競走。真剣勝負でみんな一生懸命に走っていました。徒競走の大人の部の最後は、日本人会の現・旧役員(50歳以上)による10m走。最初は50m走という話だったのですが、仕事に支障を来すとの理由から、10m走になりました。結果は五十歩百歩だったので、あえて報告するようなものではなかったのですが、10m走であるにもかかわらず、負傷者が一人でました。
 続く綱引きの子どもの部では、最初は赤組が取り、2回戦目ももう少しで赤が勝つというところだったのですが、最後は根負けして白が勝ち、3回戦目も残る勢いそのままに、白が勝ってしまいました。紅組の人たちは本当に残念でした。大人の綱引きはあっさりと白組が勝ち、大人子どもとも白が勝ってしまうという結果になりました。

 パン食い競争は、袋がつるつるして、相変わらずなかなか口に挟めず、皆苦戦していました。ちなみに使ったパンは、昨年がドンボスコ、今年がT1・amoというお店のもの。

どちらがおいしかったか、感想を聞くのを忘れていました。生徒の皆さんには、皆さんが何気なくつかみ、食べたパンも、私たち大人のさりげない努力があってこそ、ということを分かってもらえたら幸いです。遠かったT1・amoのお店、そして場所がわかりにくかった…。

大人の人達.. 僕達、私達、がんばったんだよ
お母さん.. パンを取った後、どうするの?
私.. お米派なんです
やったあ.. 早くお母さんの所に行かなくちゃー
僕達仲良しだもんね
お友達には負けないわよ~
パン食い競争って意外と難しいんだね!

 お昼前の最後の競技、長距離走。だんだんと日が照ってきて暑い中、皆さん本当によく頑張って走っているなあと思いました。ものすごい強烈なインパクトは男子長距離走のスタート。いやいや、短距離走じゃないですよというくらいのスタートダッシュ。結局スタートでぶっちぎったO選手がそのまま逃げ切ってしまったのですが、着実と追い上げた2位の選手のねばりもなかなかと私は密かに感心していました。

 お母さんが頑張って作ってくれた料理を食べれるお昼は、子どもたちにとっては至福なもの。しかし、それを横目に単身者や独り身の人はなかなか耐え難い時間となるのが例年でしたが、今年は四季さんがおいしそうなお弁当を頑張って、しかもかなり時間前に作ってくださり、寂しい思いをせずにすみました。また今年はお昼時間中に剣道師範の先生方が演舞を披露してくださり、みんなにとってなかなか豪華なランチタイムでした。
 お昼も食べ、暑くもなり、だんだんだるくなり始めてきた最初の競技は、障害物競走でした。今年は某商社に勤める役員のアドバイスに基づき、飴食いの小麦粉をよりくっつきにくいスターチに変えるというマイナーチェンジをしましたが、飴が見つからずに苦戦しているのをお見かけしました。来年はもう少し粉の量を減らした方がいいかもしれません。年々是研究です。

 3人4脚リレーは、最後F親子が奇跡的な追い上げをし、はらはらする展開でした。あと10mあったら分かりませんでしたが、残念ながら一歩届かず、白組が勝利しました。

あと別な意味ではらはらしたのが、3人4脚に参加した、司会のE嬢のズボンが走る度に下がっていったことでした。

 玉入れは豆や米を入れて作った玉が毎年朽ち果てていくため、今年は「腐らない玉」をテーマに玉入れの玉を刷新しました。投げやすさ加減はどうでしたか?遠くで見ていた感じでは、問題なかったかなと言う気がしました。また、昨年は、150個くらいの玉が入って、数えるのが大変だったので、競技時間を短くしました。そのためか、多くて30個くらいしかは入りませんでしたが、ちょっと物足りなかったでしょうか? 玉のことと入った数のことばかり気にしていて、すみません、どちらが勝ったかあまり記憶にありません…。
 借り物競走は、今年新たに仕込んだ「好きな人」と書いたボードを潜入させ、ボードを引いた参加者がどうするのかを興味津々で見ていました。DさんとSさんは見事に奥様を連れてゴールされていました。ただし、Dさんは誰か適当な人を探していたら、奥様が夫の手をつかんで走っていったような気がしました。Dさんは誰を捜していたのでしょうか??来年はこの競技が新たな「告白の場」的なものになると面白いなぁと思いました。

 そして、いよいよ最後の混合スウェーデンリレーです。なぜか今年は大人男性の参加者が多く、調整に苦労しました。当日も走ってもらう周数を私が間違えており、参加者の方には大変ご迷惑をおかけしました。また、小学生と大人を混ぜて走らせてしまって、こちらも申し訳なかったです。いや最初から大人と小学生だと言うことは分かっていたのですが、もしかしたら大人が手加減してくれるかもと思ったのですが、競技が始まれば、別でした。みなさんはやり頑張ってしまうのが、常です。来年のスウェーデンはもう少し細かい分け方をしなければと思いました。長距離走でぶっちぎったO選手が最後アンカーを4位で受け取り、どこまで巻き返せるのかという期待が皆の中にあったと思うのですが、距離が短く、残念ながら巻き返すことはできませんでした。結果、白が1,2フィニッシュをし、ここでさらに点を稼いだ白が総合でも引き離し、優勝となりました。昨年の紅組の代表としてトロフィーを返したS所長が、今年の白組の代表として、またトロフィーを持って帰るという、S所長に始まり、S所長で終わるという今年の運動会でした。
 段取りや事前の準備で少し不備がありましたが、場所も変わり、運動会のためにカンボジアに来ていたんじゃないかと思えるようなMさんがいなくなった中、なんとか無事終えられたと思います。今年度の反省は来年につなげ、来年はもっといい運動会にできるように来年の担当者には頑張ってもらいたいものです。

余裕でした.. 1500m
ひと時の至福タイム.. みんなで楽しいよね
ワタシハ.. 負ケマセン!
女の子ががんばってる横目で、あめ玉を探しちゃおう
三人よれば文殊の知恵ならぬ.. 三人四脚
走るって疲れるんだね..でも、快感!
己を見つめる.. 剣道の精神です
今年も白組優勝!2連覇です
僕、まだまだ頑張れるよ

 最後になりましたが、支援要員として競技を支えてくださった協力隊ならびに関係者の皆様、NGOで働く皆様、また補習校の先生、保護者の方には大変お世話になりました。当日参加人員を招集したり、行き当たりばったりの私の適当な運営で大変だったかと思いますが、皆さんのご協力のおかげで運動会を無事終えることができました。また来年もいろいろとお手伝いいただければ幸いです。
最後に繰り返しになりますが、参加された皆さん、お手伝いいただいた皆さん、本当にお疲れ様でした。