安全情報~2011年中におけるカンボジア国内犯罪発生状況(フーテンのトラさん編)~

日本国大使館

 「自分の身は、自分で守る。」をモットーにカンボジアライフを楽しく、良い想い出をつくるため、安全情報を提供させていただきます。
《今回は、カンボジア国内における治安状況を把握していただくため、内務省国家警察発表による犯罪統計を提供させていただきます。》

~久しぶりに故郷のプノンペンに帰ってきたトラさん、おいちゃん・おばちゃんに何やら説教をしていますが…。~
トラさん:おいちゃん・おばちゃん。帰ったよー。おーい、誰も居ねーのかよ。まったく、戸締まりもせず開けっ放しで世間様が物騒になったというのに、なんてこったいこの有様は。まるで、泥棒に入ってくれと言っているようなもんじゃねーかい。だから世間知らずは、困るんだよ。
おばちゃん:あれっ、トラ帰ってたのかい?良く帰ってきたね。イカ社長のところが忙しくて手伝ってたんだよ。
トラさん:「帰ってたのかい。良く帰ってきたね。」じゃねーよ。せっかく、年寄り夫婦にカンボジア国内での見聞を冥土の土産にと思って、帰ってくりゃ、この有様だ。押し込み強盗にでも入られたらどうすんだい。と言っても持って行かれる物なんぞないだろうけどよ。しかし、イカも相変わらず不景気な顔してるんだろ。
おばちゃん:そうじゃないよ。カンボジアも高度成長の波に乗って忙しくなってね。イカ社長のところも猫の手も借りたいようなんだよ。
おいちゃん:おっトラか。ろくに仕事もせず、良く帰ってきたな。
トラさん:何だい。その言いぐさは、だから年寄りは困るんだ。こっちは、カンボジアがどのように発展していくのか各地を訪ね、この目で確かめてるというのに。いわゆる、向学の志を果たしているっていうところだな。
おいちゃん:何が向学の志だよ。こっちは、この物価が上昇している昨今、高額所得の方がいいね。
おばちゃん:そうそう、高額所得にでもなりたいね。
トラさん:じゃあ、今のカンボジアの犯罪情勢が、どんなのか教えてやろう。

(1) 2011年中における犯罪発生状況は、下記のとおりである。
 特徴としては、強姦や性的虐待(性的虐待事件の2009年統計はない)事件、詐欺事件が増加傾向にあることである。
 実際、強姦事件については、警察もその発生を未然に防ぐことに苦慮している状況にある。
 内務省は、「安全な村」政策により全体的な犯罪発生件数は減少したとしている。
 うーむ、しかし貧富の差が目に見えるようになった昨今、新聞では毎日悲惨な事件が報道され犯罪が増加しているような気がするが…気のせいかなー。
 何、新聞を読むのかって? 
 そりゃ、しのぎのためには新聞くらい読むよ!


(2)地域別に見ると
 ① 強盗事件のワースト3、ベスト1
  ~プノンペン都62件、カンダル州25件、コンポンチャム州16件、ケップ州0件
 ② 殺人事件のワースト3、ベスト1
  ~プノンペン都40件、バッタンバン州30件、コンポンチャム州27件、ケップ州0件
 ③ 強姦事件のワースト3、ベスト1
  ~コンポンチャム州48件(うち3件は強姦殺人)、プノンペン都36件、カンダル州
  35件(うち1件は強姦殺人)、ケップ州1件

(3)交通事故については、車やオートバイの増加に伴って事故件数、死傷者及び負傷者数が増加傾向にあったことから2011年は、交通取締りに重点を置いたため前年比422件減の5千96件の交通事故が発生し、千895人が死亡、8千739人が負傷した。
 最近では、夜間酒酔い運転の取締りに力を入れている。
2003年以降の交通事故件数は下記のとおり。


(4)交通事故発生における地域別ワースト3は、カンダル州525件(うち死者135人、負傷者938人)、コンポンチャム州508件(うち死者234人、負傷者721人)、プノンペン都496件(うち死者233人、負傷者783人)で、ベスト1は、ケップ州の37件(うち死者3人、負傷者60人)である。
   
〔トラさんからのアドバイス〕
 まず、交通事故に気を付けて下さいよ。あてもなくふらふらと散策なんぞしていると危ない。ルールを守らないバイクや自動車のドライバーがいるから大変危険だ。それにひったくり犯人だって狙っているよー。
 それから、いいかい、おいちゃん、若い美人さんだからと言って知らない人について行っちゃあいけねーよ。
 おばちゃんも、美男子だからといって知らない人について行ってはいけねーよ。
 鼻の下長くしてついていったら、待ってましたと奴らの餌食だ。
 ただで、帰れると思っちゃいけねー。
 いかさま賭博の餌食になるっていうのよ。
 その辺をうーんと良く考えてもらいたいものだね。
 何、鼻の下を伸ばしているのは俺だって、馬鹿、言っちゃいけませんよ。
 おいちゃん、おばちゃん。それを言っちゃーおしめえよ。