安全情報~「無許可ツーリストガイド」と「いかさま賭博」に注意(弥次喜多編)~

2012年10月
日本国大使館

「自分の身は、自分で守る。」をモットーにカンボジアライフを楽しく、良い想い出をつくるため、安全情報を提供させていただきます。
《今回は、最近シアムリアップ州で出没する「無許可ツーリストガイド」と昨年、事例紹介した「いかさま賭博」について、注意喚起させていただきます。》
~遂にカンボジアへやって来た弥次さん、カンボジアでの旅行について喜多さんから色々と説教めいた注意を受けています。さてその注意とは…。~   

弥次さん:来た~ッ。遂に来た~ッ。 アンコールワットのあるカンボジア王国シアムリアップへ…。しかし、暑いね~喜多さん。
喜多さん:そりゃそうだ。ここは、熱帯モンスーン気候のカンボジアだからな。暑いからといって我慢せず、十分に水分を摂ることだ。脱水症状で体調を崩さないよう心掛けてくれよ。ただ、生水は駄目だよ。ペットボトルに入っているものを飲んでくれよ。いくら、カンボジアが仏教国で念仏を唱えてくれる坊さんがいると言っても、心の蔵に負担を掛けて、この地で果ててしまっては元もこうもないからね。おっと、それから人通りのない道やジャングルへは、入るべからずだ。まだ、地雷が全て撤去されてないらしい。分かったかい、弥次さん。
弥次さん:おっ、分かったよ。(ちぇっ、まったく喜多さんはカンボジアへ何回も来ているからといって、説教めいた小言を言いやがる。)それよりよ、早くトゥクトゥクという乗り物でアンコールワットを拝みに行こうぜ。
喜多さん:おっと、待った。トゥクトゥクでも良いトゥクトゥクと、悪いトゥクトゥクがあるので御用心。何が、悪いのかってー、そりゃートゥクトゥクの作りが悪く見た目が安っぽいという次元の問題ではなく運転手に良からぬ輩がいるということよ。 まず、トゥクトゥクに乗るには、どこまでいくらといった交渉が必要だ。後でもめることの無いようしっかり交渉するべきだ。特に、シアムリアップで稼働するトゥクトゥクの運転手は指定された番号のジャケットを着用しなければならないので、そのへんの確認も忘れずに…。それと、相変わらず、トゥクトゥク乗車中、ひったくりの被害にあう邦人の方がいるらしいが、中には、トゥクトゥクの運転手がひったくりの犯人と通じている場合もあるらしいので御用心。 これは、トゥクトゥクでの被害ではないのだが、つい先日、日本から来た3人組の学生さんは、片言の英語で交渉しバイクタクシーに乗り、アンコールワットとその他の遺跡群のツアーに連れていかれ、一人300米ドルの計900米ドルを請求されたというから、ぼったくりもいいところだ。いずれにしろ、バイクタクシーは危険であるため、お勧めは出来ない。それから最近、シアムリアップでは日本人を狙った日本人無許可ツーリストガイドがいるというから気を付けることだ。異国の地にて、同じ国の人間に声を掛けられるとつい気を許してしまいがちだが、その無許可ツーリストガイドは女性のみを狙い、かなり執拗にガイドの申し込みを迫るらしい。聞いた話によると、その日本人男性は女性のホテルまで付いてきて、部屋にまで入り込み、ガイドをさせてくれと哀願するらしい。 あっ、それとそれぞれの遺跡においても遺跡の説明をすると言いながら、無許可ガイドが近づいてきて色々と遺跡の説明をするらしいが、これも説明が終わると法外な金額を請求するらしい。いらないものは、はっきりNOといえるようでなくては楽しい旅行は出来ない。お分かりかな、弥次さん。
弥次さん:おっ、そうかい。色々と大変なんだな。ところで、正規のツーリストガイドっていうのと無許可、いわゆる偽ガイドはどう見分けたら良いんだい。
喜多さん:弥次さんにしては、良い質問だ。実際、ツアーガイドや遺跡の説明は、アプサラオーソリティの者やガイド協会から許可を得た者ではない限り信用してはだめだ。次のような、ガイド協会の許可証を持ち、名札のある人物は信用してよし。

ツーリストガイド許可証

ツーリストガイド名札
おっと、それからガイドの制服を着ているからといって信用してもいけないよ。ガイドの制服は、簡単にプサ―(市場)で手に入るらしいから。
弥次さん:えっ、本当かい?
喜多さん:おっ、本当だとも…。ただ、俺も実際この目で見たわけではなく、その筋の者に聞いただけだが…。
弥次さん:何だい、その筋の者とは。いい加減なことを言う奴だね。喜多さんは…。
喜多さん:そうじゃないって。黄門様の忍びの者からの話だよ。何でも、最近の情報によると、また最近いかさま賭博の被害に遭い涙を流す世間知らずの若者が後を絶たないらしい。一時は黄門様に懲らしめてもらったんだがなー。
弥次さん:おっ、以前、黄門様が注意していた、いかさま賭博だな。何でも、東南アジア系の女性が観光地において、日本人の旅行者を物色し、片言の日本語と英語混じりの言葉で「日本に行くので、日本の情報が欲しい。」とか「母が、来週日本に行って目の手術をする。心配である。」とか「日本にいたことがある。」、「今の日本について教えてもらいたい。」などと声を掛けて近づき、世間話を始めて相手を安心させ、いつの間にか自宅に招かれ、ポーカーやブラックジャックのカードゲームにより、いかさま賭博の餌食になるという話だね。
喜多さん:良く覚えていたね。弥次さん。
弥次さん:そりゃそうよ。天下の黄門様が御触れを出した件だよ、知らん顔してりゃ罰が当たるよ。その辺のところは、十分承知してらー。
喜多さん:ところで弥次さん、何を承知しているんだい。
弥次さん:そりゃー、旅の恥はかき捨てなんていう言葉もあるが「家に来て日本の話をして欲しい。」などと可愛い女性に誘われても付いていかないっていうことよ。要は、鼻の下を伸ばしてりゃ後で痛い目に遭うっていうことだ。
喜多さん:そのとおり。
最近では、男性だけではなく女性も狙われているんだ。アジア系の決して格好良いとは言えない中年男性に声を掛けられ、いかさま賭博の餌食になった邦人女性もいる。また、異性に声を掛けられるのではなく、同性声を掛けられるケースも発生している。そのため、
◎ 見知らぬ者に声を掛けられても不用意に相手にしない!
◎ 親しげに声を掛けてくる人物に注意!◎ 言葉も異なり知らない土地、彼らに付いて行ったら奴らの思うつぼ!と、常に警戒心を持って応対し、おかしいと感じたら、はっきりとNOと断ってすぐその場を離れることが出来ないと一人前の旅人とは言えませんな。
弥次さん:そのとおりだ、喜多さんの言うとおり安全に心掛け、楽しい想い出をうんと作ってもらいたいね。
喜多さん:では、そろそろ出掛けるとしますかね。日が暮れる前に…。
以上